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2013年08月28日

錫杖・左方カンテの思い出

2ピッチの懸垂で北沢に降り立つと、前衛フェース取り付きの水平道
までは僅かな下りだ。残しておいたザック・靴を取りに左方カンテの
基部に戻ると、我々以外のザックがデポしてあった。

実は5ピッチ目の終了点近くでコールする声が間近に聞こえていて、
「注文の多い料理店」というルートからもうここまで登ってきたのだと
ばかり思っていた。それが我々の下から登ってきている声だとは!

家に帰りパソコンを開くと千種の若手メンバーの錫杖計画書が
届いていて、それによると日付は昨日、ルートは左方カンテだった。
本人に電話をしたらやっぱりそのデポザックは彼らのもの。
暗くなってからの下山になったと言うから間違いなく我々の下にいた訳だ。
いつも書いているように山で仲間に会うのは嬉しいもの。会いたかった。

さて槍見温泉までの下り、息子は「普段使わない筋肉を使うから
もう足がプルプルだ」と言う。その通り伸張性の力の発揮に慣れて
いないから、そうなるのも無理はない。
槍見の無料露天風呂に入って身体を伸ばした。

こうして息子の錫杖デビューは無事終わった。デビューと書くのは
ちょっと違うな。この先、多分2度と来る事は無いだろう。
曰く、「岩をやる人は変態だという事が良く分かった」そうだ。
クライミングが嫌いになって言うのではない。むしろその凄さを
知って少しは感動しての言葉だというのは分かっている。

よく付き合ってくれた。60過ぎの爺ちゃんと30過ぎの親子が
ルートを登るなんて、あまり聞いた事がない。最高の思い出となった。
彼の高山での最後の休日はこうして終わった。今日は松山へ向かう。
  

Posted by ラテルネ瀧根 at 04:52Comments(0)