梅雨入り前の最後の山
今回の登山塾・笠ヶ岳実践、目的の笠ヶ岳には登れなかったが
何の情報も持たないでルートファインディングをする土台は何か、
危険・リスクを考えたルート取りとその場その場での歩行技術。
この辺が今回のテーマでもあったから、充分に力量に見合った
楽しみ方ができたと思っている。
〈笠ヶ岳をバックに〉
歩行技術なんて、知識があってもなかなか実践とは直結しないもの。
残雪期は氷化していたり逆にグサグサでスリップしやすかったりする。
ちょっとしたことで滑落につながりかねない。
そんな中でへっぴり腰を生み出す恐怖心をどれだけ消すことができるか、
僕はこれが残雪期のもっとも大きな意義の一つだと思っている。
雪と大胆に遊ぶ。それが保証される広大な、安全な斜面。そんな条件下で
かかとへの力の入れ方を学ぶ事で、どれだけへっぴり腰を直せるだろう。
もう一つが、幕営生活の基本を辛くない環境下で学ぶことができる点だ。
雪を水にする作業から始まる「ままごと」のような仕事もなかなか楽しい。
今回の杓子平、丁度槍ヶ岳と笠ヶ岳を結ぶ線上に位置していて
北に抜戸岳、南に乗鞍といった感じで360度のパノラマが楽しめる。
穴毛谷の各尾根ルートとともに、あまり一般的になって欲しくない場所だ。
杓子平までであってもプチ・バリエーションと言って過言ではないし
そこから主稜線へのルートは選び放題。実力に応じてルートを取り
笠のピークで合流なんてのも楽しそうだ。
左股林道では少しタラの芽を摘ませてもらい、ビールのつまみに。
新平湯では氷室熟生の蕎麦祭りをやっていて、新蕎麦をご馳走になった。
平湯峠を越したらパラッと雨が。梅雨入り前最後の山になった。
〈槍ヶ岳をバックに〉