ラテルネ瀧根の登山塾

昨日は御在所岳・日向小屋のリニューアルオープンの日だった。
お世話になった小屋だ。行く気満々で準備していたら家の鍵がない。
女房に連絡しても繋がらないし、探し回っても見つからなくて諦めた。

三重岳連の野呂会長に電話してみた。多分お祝いに駆けつけられる
だろうから一緒に飲みたいと思っていた。しかし“家の鍵が無いから”
なんてしょうもない理由で行けない。せめてそんな間抜けな話も
つまみの一つに、お祝いのメッセージだけでも届けてもらいたい。
そんな目論見だったのだが、「今日は行かないよ」の一言で崩れ去った。

「また行く時は連絡ちょうだい」優しい声でそう言われ、再会を
約束したものの、主人の梅田さんと奥様には申し訳ないことをした。

２００８年、未曾有の土砂災害で全壊した日向小屋。
僕は特にＫ２のトレーニングで徳島先生と一緒にお世話になったが
夜遅く着いても、いつも梅田さんと奥様には夜中までお付き合い
いただいた。だからその度、朝早くから食事を準備される奥様に
申し訳ない気持ちで一杯だった。

ご主人も現役で登ってお見えだし、暇があれば双眼鏡で
クライマーを見守って下さっている。何かの時は心から頼りになる
拠り所だったのだが、その崩壊で内心「もう終わりかな？」
なんて思っていた。以前にも日向小屋は大水で崩壊している。
それが梅田さんご夫婦の信念で三度再建されたのだった。
きっと多くの岳人で昨夜は盛り上がったことだろう。

鍵は僕に「物忘れ、よくあるの？」と気遣ってくれる帰省中の息子の
ポケットに収まっていた。「あ～ぁ・・・」

〈ショーキラン〉