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2013年08月10日

剣を終えて

小屋の前には雪溪が残っていて、登りはそのトラバースから始まる。
今年は余程雪が多かったのだろう。一つ急登を越すと、剣を
見上げながらの登行となる。5時半の出発だし高度を稼いでいくから
汗もかかない。いくつかの鎖場を越し9時20分、ピークに着いた。

クライアントのAさんは69歳の女性。とても安定した足の運びで
全く不安を感じさせない。さすが100名山を踏破した「猛者」(?)
靴からしてとても手入れの行き届いた革靴だった。2足を交互に、
愛おしく愛用されているとのこと。うーん、気持ちが分かる。

加えて姿勢が良い。いつも書いているが、姿勢はとても大切なもの。
姿勢がよくて安定感を醸し出せるという事は岩登りも上手だということだ。
聞くとバレーをしていて岩場が大好きだとのこと。なる程!

かなり話をしながら登った。ということは有酸素運動を続けたという
意味でもある。話せる程度、心拍数で130程度までを心がけた。
その結果早月小屋から4時間を切ることができた。

余分な心配をせずとも大丈夫というのは、ガイドとして楽をさせて
もらっているということ。それにいろんな話を聞かせてもらって
人生を勇気づけられるような山行だった。

山頂で涙ぐまれた時、この人のガイドをすることができて本当に
良かったと思った。ガイド冥利に尽きるというやつだ。
早月小屋でカップヌードルとビールをご馳走になり、下山。

家には21時過ぎに着いた。早速風呂に入り、ビール。
女房と息子が話と焼酎に付き合ってくれた。充実した疲労感に包まれた
至福のひと時。新聞も読ま(め)ない2週間が、こうして終わった。

〈小窓尾根を見ながらの登行〉
剣を終えて

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:46│Comments(0)
 
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