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2013年09月11日

白出沢での救出

昨日はロープウエー駅に15時15分着。奥穂から丁度10時間の
行程だった。中崎の湯で汗を流し、車中でこの二日間を巡っての
いろんな話をしながら、高山には18時に到着した。

中でも特筆すべきは、やっぱり台湾の女性の救出について。白出沢を
下っていたこの女性と何人がすれ違ったか分からない。少なくとも
我々の先に3人はいたのだが、その3人はどう思ったのだろう。声は
掛けなかったのだろうか。去年の夏、白出沢の近くで男性がひっくり
返っていた時の事を思い出した。ひっくり返っているのに皆知らん顔で
通り過ぎて行った。滝谷へ入るつもりだった僕はその人の荷物を持って
新穂高へ。救助隊のメンバーに頼み込んで車を出してもらいとって
返したのだが、皆無関心なのだろうか、はたまた「賢人は危うきを見ず」
なのだろうか。日本人はどこへ行ってしまったんだろう。

それと現場で彼女にストックを借りてやろうとした時のこと。下山中の
人に訳を話し、「必ずお返しするから」と僕の名と住所をメモして渡したら
「あなたとは初対面だから」と渋られた。結局彼女自身がストックは
いらないと言うので返したのだが、その対応にはガックリきたのだった。
それもボロボロのストック1本。余程思い入れのあるものだったんだろう
と思う他無かった。

そして皆一様に「登らせてもまた降りなきゃいけないから下らせるべきだ」
と言う。例え電解質を補充させても筋疲労は残る。歩行技術が無い
彼女を、危険箇所もある、途中小屋もないルートを下らせる訳にいかない。
それより穂高岳山荘に連れ戻し、翌日涸沢に下らせた方が良い。
道迷いで下って行って遭難する心理はこれか、と納得したのだった。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 05:06│Comments(0)
 
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