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2013年09月13日

穂高岳山荘で

P・Jも昨日はぐっすり寝られたようで、爽やかな笑顔で起きてきた。
朝食を済ませ、新宿から池袋のホテルまでの地図をプリントアウト。
池袋のホテルを予約してあって、今日の夕方羽田から帰国する。

少し市内を案内。思い出に小さなさるぼぼをプレゼントした。
陣屋前でみたらし団子を食べながら朝市も見学。高山駅から
松本へはバスの移動だ。ハグしてお別れ。「シーユーアゲイン」
日本を大好きになって、また遊びにきてくれたらいいな。

閑話休題。山小屋での生活に話を戻そう。これは9日の夜の話。

いつものように、人が寝ているのに遠慮もなく「ドンドン、ガラガラ、
ピシャ」が始まった。一番ひどいのが隣の男、おまけに鼾がひどい。
一睡もできず、いつものように「何で自分のイビキで目を覚まさんの
だろう」「何でこういう奴がすぐ寝ちゃうんだろう」「こういうのが
普段偉そうに『人の迷惑』なんて言ってたりして」なんて思う。

イビキは仕方ないとしても彼女を助ける時の事を含めて、周りの人を
思いやれない人が本当に多くなったように思う。皆、頑張って登って
くるのに、同じ苦しみを背負ってきているはずなのに。そんなふうに
思うと情けなくなってくる。登山人口が増えたからそう思えるだけ
なのだと自分に言い聞かせながら、長い夜を過ごした。とりあえず
彼女とKさんが良く寝られたら、明日は無事下山ができる。

朝3時を過ぎると山小屋はうるさくなってくる。僕も4時過ぎに寝床を
抜け出した。朝食は頼んでいないから5時の出発だ。カッパを着込む
程ではないが結構風があって、Kさんは驚いている。僕はうそぶく
つもりはないが「そよ風ですよ」と応えた。


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Posted by ラテルネ瀧根 at 04:10│Comments(2)
この記事へのコメント
梓林太郎の作品に、『岳人隊~イエローリボン~』という長編があって、まあフィクションなのですが気分の良い妄想だなあと思いながら読んだことがあります。
もう記憶があいまいですが、自主的に結成されたボランティア救助隊の顛末を描いたものだったと思います。
たぶん、同様の思想というか理念を持っている人は案外多いのではないかと感じたのですが、それがSF小説にとどまってしまうのが現実なのだな、とも。
それはさておき、互助の精神とか、惻隠の情というものはほとんど死語になりつつありますね、山でも町でも…。
Posted by やまたろう at 2013年09月13日 22:24
やまたろうさん、お久しぶりです。
本当に死語は多いですね。余裕が無い、いびつな社会にあぶりだされた結果なのでしょうか。力が抜ける自分も「甘ちゃん」ですが希望は持っていたいな、と。山はいろいろ教えてくれますね。
Posted by ラテルネ瀧根ラテルネ瀧根 at 2013年09月17日 06:31
 
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