ウエブはこちらへ! http://laterne.web.fc2.com/

2013年09月17日

山の教えるもの

見知らぬ土地で困っていたP・Jを世話してあげたのは、山屋として
当然のこと。わざわざ高山に来てくれた彼女を「マイゲスト」として
もてなしたのも、それが嬉しかったから。

世界中を旅行している彼女は多分お金持ちで、その彼女からすれば
決して大したもてなしではないかもしれないけど、できることで良い。
暖かいシャワーと横になれる布団だけでもいいじゃんという、
隠すものの無い気持ちだけだった。

それを彼女も分かってくれたのだろう。「夫を亡くしてから人生2回目の
転機となった」帰国を控えた最後の夜、東京のホテルからそんな
メールをくれた。

そして20人との賑やかな山行。まるで子供のように純粋な皆さんは
笑顔がとても素敵だった。我々ガイドを「先生」と呼んでくれ、言うことも
真剣に聞いてくれた。雷鳥沢ヒュッテで彼らと別れたのだが、最後まで
一緒にお風呂だけでも入ろうと誘ってくれた。ハグしてくれた皆さん、
見えなくなるまで手を振ってくれた皆さんを、僕はずっと忘れないだろう。

正直、これまで「うるさい人たちだなぁ」なんて思っていた部分は
確かにあったが、少なくとも共に汗を流して登頂の喜びを共有できた
幸せは、きっとP・Jのご縁なのだろう。白出沢での出来事に感謝
するほかない。他国の人を好きになれたのは彼女のお陰だ。

山へ行くと、人の自分勝手さがとても目について力が抜けたりもするが
話してみると意外といい人だったりもする。そうやって人は人を好きに
なれる。そんな人間って、子供みたいで可愛いじゃないかと思う。

足りない僕に、山はそんなことを教えてくれているのかもしれない。

〈雷鳥沢で〉
山の教えるもの

スポンサーリンク

Posted by ラテルネ瀧根 at 06:07│Comments(2)
この記事へのコメント
実り多い秋の前、出会いの実り多すぎる夏。

いくつの笑顔が実ったことやら。

写真を見てるとこちらも、こちらにも笑顔が移りますなあ。
Posted by 松 at 2013年09月19日 01:22
どもども、やっぱり笑顔が最高やね。

そいえばお孫ちゃんにもHちゃんの笑顔が移ってたなぁ。
笑顔多き松家、さすが!
Posted by ラテルネ瀧根ラテルネ瀧根 at 2013年09月19日 06:46
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。