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2013年09月19日

やわらか頭

少し前の話になるが、9・13付け市民時報に「全飛発明くふう展」の
記事が載っていて、県発明協会長賞に見覚えのある名前があった。

日野龍平(江名子町)。この男悪ガキ時代の仲間で、この夏一杯
やったばかり。県職員だったが、退職してユニークな人生を送っている。

昔は「江名子の香水」と言えば肥溜めのことを言った。それだけ農家も
多く、町の(中心部の)子からすれば「田舎者」という馬鹿にした表現
でもあった。きっと言われて嫌な想いをした人も多いのではないだろうか。

その江名子にいながら、土地と顔に全く似合わぬお洒落なコートを着て
歩いていた悪ガキの番頭といった感じの男が、その日野龍平だった。

その江名子にまさか自分が住むことになるとは思いもよらなかったが、
8年前に引っ越してきた僕を真っ先に歓迎してくれたのがその男だった。

「一体何を発明したんや」と電話したら、あったかなウオッシャー液を
出す装置だとのこと。ウオッシャー液を、ラジエターホースを経由
させるだけなので取り付けも簡単そう。ありそうでなかった話だ。
寒い地方ではとても重宝されるのではないだろうか。何てったって
ウオッシャー液が凍って、余計に見えなくなる経験は誰でもあるだろう。

発明なんて、そんな「当たり前」の不便を何とかしようというところに
転がっているものなのだろう。う~ん、そんな風に考えるとごく身近に
いくらでもありそうなのだが、きっと固い頭が邪魔をしているのだろう。

いや、山屋のように不便なところに喜んで行き、そこでの苦労をこそ
至福と思えるような者たちには、そもそも考えられないのかもしれない。

風貌からは想像もつかぬ、頭が柔らかい日野に拍手を送った。
問い合わせは高山57-7233。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:40│Comments(0)
 
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