ウエブはこちらへ! http://laterne.web.fc2.com/

2013年09月26日

ある縦走のひとコマ

奥穂高山頂で日の出を迎え、Kさんにとって初めての稜線に足を
踏み入れた。途中で我々を抜いた若い女性が、馬の背で行き詰まって
いたので先行してあげる。

Kさん曰く「女性はルートが分からなくなるもの」とのこと。
「馬の背」と言うだけに、その背中を辿ることだけ考えれば
いいと思うのだが、そう単純でもないらしい。

「下手の考え休むに似たり」という言葉があるが、歩きながら
考えているようではスピードが上がらない。山岳会で僕は
「止まって考えるな、歩きながら考えろ」とよく言っている。

冬山の縦走などに問われるのは「足が揃う」というもの。
アイゼン着用だから全くスピードが違ってくる。これを早く
するためには、経験を積むしかない。安全に歩く術を身体で
覚える、考えなくとも歩けるようにならなければ、「余裕」を
創ることはできない。安全なところを100回歩いても、
技術は身に付かないということだ。

ジャンダルムのピークでお弁当を食べるKさんに、アマノフーズの
味噌汁を差し上げた。これはヒマラヤでも良く使うものだ。
カレーも絶品。使われている人も多いだろう。

天狗のコルまでの長い下りでは、ちょっとした技術のコツを伝授
しながら進む。靴裏と岩の摩擦を意識して、それを試してみながら
歩くこと。その時、拇指球に重心を乗せる。その積み上げに自信を
持つこと。危険でなければ必ずやってみること。それを続けていれば
へっぴり腰は必ず克服できる。

〈明神Ⅰ峰〉
ある縦走のひとコマ

スポンサーリンク

Posted by ラテルネ瀧根 at 10:41│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。