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2013年10月15日

バットレス4尾根

松宮の事故から3年目にして、ようやく現場で慰霊することができた。
好きだった黒霧島(芋焼酎)そして日本酒、N手作りの栗きんとん、
花を供えると、松の嬉しそうな顔が浮かんだ。

鳳凰三山を正面に見ることができるその素晴らしい現場は、思っていた
よりCガリーに近かった。崩落した岩盤が砕けながら落ちて来ると、
その一部が弾けるように飛んできても決しておかしくはない場所で、
テラスがもう少しDガリー寄りだという僕の想像は間違っていた。

その1ピッチ半くらい上の快適なテラスで、テントフライ一枚でビバーグ。
結構寒くて、N嬢はフライの隙間から星を見上げながらの一夜だったと
言うし、Nは一睡もできなかったと言う。僕は日付が変わる頃まで爆睡。

朝方ブログを書こうとしたが、圏外でダメだった。圏外といえば事故の
時にはNのAUで連絡したと言うし、バッテリー切れになったので松の
携帯(ドコモ)も使ったという。今回は同じ場所でどちらもダメだった。
何でだろう?不思議なこともあるものだ。

両Nはクライミングにあまり慣れていないので、カンツォーネは聞こえて
こなかったらしい。僕は快適な青空のもと、娘が小さかった頃に
口ずさんでいた歌を、難しい部分で反芻しながらリードを続けていた。

〈崩壊現場のトラバース〉
バットレス4尾根

一応2人は経験者だし同じ会の仲間だから、逆におかしな事をやって
いたら僕に怒鳴られる。岩に対しても僕に対しても緊張し、「楽しい」
まで行かなかったのかもしれない。やはり普段どれだけ登っているか、
それが「楽しさ」には不可欠なものだ。

ピークでは2人とも爽やかな笑顔で握手。これでやっと一つ、肩の荷が
軽くなった気がした。足取りも軽く、2時間半で広河原に下山。

〈二俣への下りで〉
バットレス4尾根




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Posted by ラテルネ瀧根 at 07:59│Comments(0)
 
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