ラテルネ瀧根の登山塾

この前涸沢から帰ってきたら、Ｐ‐Ｊからの国際小包の不在通知書
が入っていた。早速配達をお願いすると手作りの熊の人形、手染めの
バンダナ、台湾のお茶、そして七夕魚という飾り物なんかが入っていて、
手紙には来年の春お会いできるのを楽しみにしている、とあった。

その手染めのバンダナがなかなかシンプルで良い。先日の北岳では
早速ヘルメット代わりに使わせてもらった。

彼女はどうやら、日本で合気道を修行しているアメリカ人と来春高山へ
遊びに来るつもりらしい。もちろんウエルカム。上高地、あるいは西穂
まで連れて行こうか、などと話している。

そんな繋がりで「我が家の孫たちは山登りするだろうか」なんて話に
なった。息子の方は、上の子が登って下が登らない。娘の方は、上が
登らずに下が登る。どちらも男の子が登るというそんな予想では一致
したが、その時生きていないことには一緒に登ることもできない。

それまで長生きしたいなあ。そんな風にして、「生きるほどに決して
無欲になる訳でもなく、生まれる欲もあるものなんだなぁ」と笑った。

やなせたかしさんが９４歳で亡くなった。震災を受けて引退を撤回。
バイキンマンに水を掛けられるだけでやられてしまうアンパンマン。
そんな「弱いスーパーマン」が必ずまた復活して、武器を使わずに
悪を懲らしめるという氏の平和主義。どれだけ子どもたちに愛されたか
分からない。氏もまた、自分に出来ることのために長生きしてこられた
のだろう。子どもたちの笑顔、勇気、元気、そして平和を目指して。

そんなふうに、自らの想いを決して押し付けがましくなく表現し愛され
続けたやなせさんのご冥福を祈る。我が孫たちも、ずっと大好きですよ。