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2013年10月28日

あがき

ナレーターが言う「下手に触ると火傷しそうな」そんな加島さん、
「登るのは山があるからではない。山と一つになりたいからだ」と
多分、自慢の庭から見える「山」について表現している。それを感じ
ようと目を閉じたら、なぜか「そこにあるから」と言ったのが「そこに
山があるから」と変えられ誤解されているマロリーが浮かんできた。
とんでもない爺さんの生き様は、まるで現役の山屋のようだと思った。

爺さんは30年ほど息子とも音信不通だったと言う。息子さんは50
歳を過ぎて、ようやく父の苦悩も受けいれられるようになったとか。
「50過ぎの男なんて、たかだかそんなもんだよな」と言う息子さんも
また、重いものを背負っているようだった。

AMさんと出会った頃、林の中を散歩していて2人は石仏に出会う。
その時、AMさんは自然に膝まずき、掛かった雪を払ったという。
そんなところに爺さんは、万物に命が宿り自然を敬う日本人の心を
AMさんに見たのかもしれない。

4年前、息子さんが自死した姜尚中さんが加島さんのところを訪れる。
晩年をどう生きるか、そのヒントを提示してくれているような2人。

「生きとし生けるもの 末永く元気で」息子さんのPCに残っていたこの
言葉を見つけ、姜さんは早稲田の大先輩でもあるその爺さんと同じ
歳で東大の教授を退官してしまう。人の話を静かに聞き、全てを
受け入れた上で静かに語りかける、そんな間違っても「TVタックル」
なんかには出られない氏の人柄にとても惹かれるものがあるが、
その姜さんもまた、あがいていた。「彼はあまりに純粋だったのだろう。
私はそんな社会の奴隷に過ぎなかった」姜さんは爺さんに書き送った。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:37│Comments(0)
 
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