ラテルネ瀧根の登山塾

それにしても、若い人たちと一緒に飲んだり雪の上で遊んだりする
のは楽しい。知識欲も旺盛だから、あまり知らない事など真剣に取り
組んでくれる。もちろんわざわざ名古屋から講習会に来てくれたの
だから当たり前といえば当たり前なのだが、その真剣さがこちらに
感じられるとうれしいものだ。

普通、山岳会の講習会というのは先輩に教えてもらって当たり前の
ように思っている人が多いから、「出ておこうか」なんて感覚で参加
するメンバーも多い。鋭い感覚が突き刺さるように思える「講習会」
なんてどれだけあることだろう。「疲労感に包まれただけ」で終って
しまうことも多い。また最近思うのだが、若い人に感謝の気持ちが
なかなか見えにくい。一回礼を言えばそれで終り、なんてふうに
人間関係がいたって軽くドライになった気がする。

だから今回、講師の必要経費くらい少しは意識してもらおうとあえて
そんな話を振ってみた。もちろん自分の山岳会、お金を取るつもりは
更々無い。こちらの「負担」を考える気持ちを持って真剣に受講して
欲しいという思いだけだったが、少々言葉足らずだったようだ。

実際にお金が入った封筒を渡されてビックリ。「幹事に嫌な思いを
させたな」と後悔の念だけが浮かんできた。もちろん受け取りはしな
かったが、感謝の気持ちは是非後輩の面倒見で繋いで欲しい。それ
が山岳会の意味でもある。

幸い、千種の若い人たちは自分がパートナーとだけ行くような傾向も
なく、後輩を連れて山行をしてくれている。それには心から感謝して
いる。そんなメンバーだったから楽しさも尚更だったのだろう。