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2014年01月28日

「マンデラの名もなき看守」

マンデラさんの銅像の耳の穴に、南アでせっかちを意味するウサギ
が彫り込まれていたのが分かり、撤去命令が出ているという。これは
南ア政府に急かされた製作者の抗議の意味らしい。

芸術家のやることは面白い。マンデラさんなら許してくれるんじゃない
かと、あの寛容と笑顔を思い出した。

「マンデラの名もなき看守」という映画を見た。マンデラさん担当の刑
務官ジェイムズ・グレゴリーの手記が映画化されたもの。当初は「マン
デラは死刑になるべきだ」と言っていたグレゴリーは、当時のアフリカ
民族会議戦士の言葉(コサ語)が分かるということで看守をしながら
スパイの役割も担っていた。

だがその情報をもとに釈放された戦士が暗殺されたり、マンデラの子
が事故死した責任を感じていく。そして心からのお悔やみをマンデラ
に伝えた辺りから2人の間に友情と尊敬が芽生えていった。

マンデラさんが大統領になった時、そのグレゴリーが実際に祝賀会に
招かれたというからすごい。

マンデラ役のデニス・ヘイスバートがいい。24(TWENTY FOUR)で
米大統領役をやるくらいだし、実際に出馬要請まであったそうだから
その貫禄はマンデラさん役にはピッタリだったのだろう。

アパルトヘイトの下、「パス法」の施行で身分証明を持っていない黒
人が暴力を受け投獄されたり、赤ん坊を抱いて逃げる母親が捕まっ
てその赤ん坊が放り出されるシーンがある。グレゴリーの娘がそれを
見てショックを受けるのだが、そんな「差別」そして「仕事」というもの
にハンナ・アーレントの「凡庸な悪」を思わざるを得ない。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 07:12│Comments(0)
 
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