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2014年06月26日

懐かしい思い出

そんなヨーロッパ遠征、今思えば何の根拠もない自信に裏打ちされ
た「2週間のままごと」だった。お粗末といえばお粗末なのだが、そん
な頃の「盲目」的な自分が懐かしくもある。何をやっても何とかなるだ
ろうと思っていた。ウオーカー稜だってそうだ。何の心配もしていなか
った。ザックにはぶら下がってビバークできるよう、薄いヒノキの板で
作ったブランコが入っていたのを思い出す。

翌日、1人レショ小屋を出た僕は午前中にシャモニーに戻ってロジェ
ールキャンプ場で九州の左近さんという人と飲んだ。そして20日は
スイスに戻って日本のクライマーに有名なホテルバンホフに泊まっ
た。長谷川恒男が初登攀した時などに泊まったと言われるホテルだ。
あの経営者のおばあさんはもういないだろうな。

22日にはフランスに移動、素晴らしく自由で展望も最高なグリンデル
ワルトのユースホステルで自炊。芯のあるご飯に醤油を掛けて食べ、
大満足した記憶が残っている。23日はアイガーを見にクライネシャイ
デックに出掛けた。でもあまりの日本人の多さにがっかりした記憶し
かない。僕は翌日、1人チューリッヒを後にした。

強い気持ちを維持するというのはとても難しい。何かあったりすると
一気に萎えたりするものを乗り越える強さというものがクライマーの
条件としてとても重要なもの。Tの転進の判断は、がっくり来た僕の
ダメージを何とか回復しようとするものが大きかったのだろうし、僕
自身もそれに飛びつき、新たな闘志を燃やしたのだった。それにし
ても僕に予備知識がなかったのは、いかに没主体的な山行だった
かを物語っている。



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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:20│Comments(0)
 
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