ラテルネ瀧根の登山塾

神奈川県厚木市で見つかった白骨死体の父親が殺人罪で追起訴さ
れたとのニュースがあった。

これは、僕の中で今年最も心が痛んだ事件。それ以降も日々続く、
とんでもない事件の連続に色あせてしまっていたが、改めて涙がこ
ぼれた。最後の「パパ」は何を言おうとしたのだろう。

改めて理玖ちゃんを思った。衰弱して５歳で寝たきりになってしまった
理玖ちゃん、それでもきっとパパが帰ってくると嬉しかったのだろう。
最後にか細い声で「パパ、パパ」と言ったのは、きっと嬉しくて、近くに
来てくれるようせがんだのだろう。それでもパパはやせ細った我が子
が怖くて置き去りにした。

理玖ちゃんは何も分からぬまま、眠るように息を引き取ったのだろう。
そこにはパパへの「怒り」や「憎しみ」なんて何もないはず。そして発
見されるまでに、生きてきたより長い時間が掛かってしまった。

なぜ父親は、そこで誰かに頼るとかできなかったのだろう。親を恨む
ことすら知らぬ理玖ちゃんが不憫でならない。きっとこの子は天国で、
パパが詫びても「いいよ」ってニコニコしているのだろう。

子どもにとって、どんな目に遭わされても親は特別な存在だ。きっと
産まれた時に慈しんでくれたことを、その見えないはずの目で、耳
で、しっかり見ているのだろう。

獄中のパパよ、せめて貴方は我が子に詫びながら、絶食によってあ
の世に行きなさい。本人もそうしたいかもしれないが、それは獄中で
は許されないだろうか。理玖ちゃんの冥福を祈る。