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2014年10月21日

登山と物理

例えばロープは伸びるという、当たり前のこと。伸びて衝撃を吸収す
ることで荷重を緩和してくれるわけだが、伸びることによって危険を生
み出すという二律背反も有りうる。

だからユマールやタイブロックなどでFIXロープを登行する場合、その
FIXに体重をかけるくらいにして登行器を上に出すようにしないとス
リップした時に墜落距離が長くなってグランドフォールも有りうる。

それをいくら力説しても、伸びる経験をしていない(あるいは少ない)
と分からないものだ。だからこそ登山技術は実践が問われる。

これだけ登山人口が増えると、「安全策」としてロープを携行する人も
多い。それは、危険なところでロープを出せば何とかなるという発想
にも繋がりやすい。

今年それに関係する事故で最も印象的な悲劇が、増水した滝谷で3
人が流されたものだった。ロープを出して1人が渡り切り、トップとラス
トの確保でセカンドが渡る。ごく普通の安全策に見える。

支点づくりで欠かせないのが角度による荷重の変化だ。1点に支点
を求める場合その支点に掛かる荷重は1Wだが、2点から取った場
合角度と支点にかかる力の率は30度で0.52。つまり2点それぞれに
掛かる力は30度で0.52W。それが120度で1Wとなるから2点から取
る意味が消滅し、更に180度では∞(無限大)になると言われている。

登山と物理


この2つの支点を人だとすると、橋を渡った人とラストの角度は180
度。つまりそれぞれの人に無限大の力が掛かって引きずり込まれた
ということになる。じゃあどうすれば良かったのか。それについては
明日にしよう。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:34│Comments(2)
この記事へのコメント
しかもWが動きますからね…。
Posted by やまたろう at 2014年10月21日 07:30
やまたろうさん、そうなんですよね。
Posted by ラテルネ瀧根ラテルネ瀧根 at 2014年10月22日 05:31
 
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