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2014年10月28日

一蓮托生

先週はロープが伸びることなど、安全を創る基礎のようなことについ
てあれこれ書いた。最も情けないのは、安全を創るための道具が安
全に使われないで事故に結びつくこと。最悪死に直結することだ。

以前にも書いているが、毎年ロープを繋いだままパーティ全員が滑
落する事故が起きている。これもロープという道具で結び結ばれる
ことへの「安心感」が生み出す落とし穴だ。

ロープが伸びるということ、静荷重と衝撃荷重の違い、力の掛かる方
向などを理解していればロープのたるみが生み出すものは何かとい
うことが理解できる。すなわち衝撃荷重の発生と墜落距離の増大だ。

人間は立った姿勢で、真下に170kgの力に耐えうるという。例えば
60kgの人が誰かの背中に飛び乗ったとするとその衝撃荷重がその
くらいになるだろうか。腰を痛めるとかそんな付随するものを別にす
れば、まあ耐えられる数値だろう。これが普通の人の耐えうる数値。

それが無意識な状態で横に押された時は20kg程度の力でよろめ
き、体重以上の引っ張る力で持ち上げられる。人間は真下への荷
重に最も耐えられるもの。

そうすると余程構えているときは別として、ロープを繋いだ人がもし
スリップをするとどうなるだろうか。真下に引かれるわけではないだ
けに、いとも簡単に引きずり込まれてしまう。そしてたるみが多いほ
どそうなるのは自明の理。

何人かで繋いでいる時誰かがスリップ。別の人まで巻き込まれたら
もっと荷重は大きくなり、いくらベテランのリーダーでも引きずり込ま
れる。それは考えるまでもなく、当たり前のことなのだ。


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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:11│Comments(0)
 
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