ウエブはこちらへ! http://laterne.web.fc2.com/

2014年12月14日

御嶽、生還の記録⑦

私はなぜ生きて帰って来れたのか。

「場所が噴火口に近いものの、なんとか隠れられる岩が近くにあった。
見つけられた」「風向きが良かったのか熱風は一切来なかつた。熱い
と思った瞬間は一度も無かった。」「暗闇になるのに時間があり頭の
守れる岩に隠れ直せた。」「噴火だと思った瞬間から、命を守る行動
に移れた。」何より単独だったから良かったと思う。自分の事だけ考え
て行動できた。

それに運が良かった?それだけではない。あの日頂上周辺で運だけ
で生きて帰って来れた者はいない。それぞれがもらった運を最大限に
使って逃げた。噴石から逃げ切れた者が生き残り、残念ながら逃げ
切れなかった方が亡くなる。そんなシンプルな状況だったと思う。

それと身に付いた登山技術が通用したのもある。例えば、「登山道以
外の足場の悪い所も歩ける」頭の隠れる岩に移動した所は浮石だら
けの急斜面だった。そこを走って下った。「地形を見るクセがあった」
この時一ノ池には二の池の様に池はなく草が生えているなと思って
見ていた。それと山小屋が何処にあるのかも頭に入っていた。「冬山
の歩行技術も役だった」火山灰が膝上、おそらく5 0cmは積もってい
た。真っ黒い新雪そのものだった。そこをスピードを持って登り、下る
事ができた。瞬時の判断と身に付いた技術と行動がうまくはまった事
が「正と死の分岐点」となったのではないか。

誰もが「生きて帰りたい」そう強く思っていた事は間違いない。ただ何
処に居たかが「危機感、判断、行動力」を持っていたとしても残念なが
ら山の脅威の前ではどうにもならなかったのだと思う。(つづく)

スポンサーリンク

Posted by ラテルネ瀧根 at 07:09│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。