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2014年12月15日

御嶽、生還の記録⑧

本当は27日に行くはずではなかった。当日も1時間30分出遅れ、呼
び寄せられたかの様に頂上近くにいた。でも、無傷で生かされた。

私が楽しい山しか知らない時、小屋番をしていてお客様が病気で目
の前で死んだ。怖くて山に行けなくなった。それが次の夏が来る頃に
は、山で死なない為に山に行かなければ。山に対する私の意識は変
わっていた。山で死なないための答えが欲しかった。友人がガイドと
山に入り、友人だけが雪崩で死んだこともある。悔しかった。「自分の
身は、自分でしか守れない。」そう思い知らされた。お客さんを殺さな
いガイドになろうと思った。

山を見つめ直すとき、いつもそこには人の死がある。今回の噴火で
多くの方が犠牲になってしまったが、ただあのころの様に山に行くの
が怖いという感覚はない。

日本には、活火山の山が幾つもあるが、どう共存すべきか。何が必
要なのか。ヘルメット、シェルターが在れば良いのか?

それは残念ながら自然を無視した人間の傲慢な考え方ではないか?
私はそう思う。山の危険に対する本質がそこには無い。本質を見極
める事が出来て始めて、装備などを使いこなせるのではないか。謙
虚な気持ちになるのではないか。

私が思う一番必要な物は「100%安全」など無い所に、自分の意志で
踏み込こむという意識。何があっても自分が全てを受け入れる「自己
責任」の意識があれば自ずと「自分の命は自分で守る」という意識も
出てくると思う。そして起こりうる危険に対してどこまで想像出来、対
処、先手を打てるのかという「危機感」だと思う。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:18│Comments(0)
 
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