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2015年01月22日

群集、その5

以前にも書いたことがあるミルグラムの実験。教師と生徒役に分け、
教師の出す問題に間違った回答をすると教師役は電流を流して生徒
役に苦痛を与えるという実験だ。もちろん生徒役には電流は流れて
おらず、悲鳴は録音した音声。この実験によると平凡な市民にも「服
従の心理」があり、命令に従って他者に苦痛をあたえるという残酷性
を持つというもの。

人はその中で、良心に咎められながらも命じられるとボタンを押し続
け、緊張やストレスを反らす反応として笑ったりすることさえあるとい
う。まさにアウシュヴィッツの看守がごく普通の市民だったという、以
前書いた「悪の凡庸さ」そのものだ。

差別され、希望も生きがいも無く、自ら積極的に「イスラム国」へ集結
する若者たち。それが正義だと信じ、異教徒の首をはねる順番を心
待ちにしているという狂気。

それはほんの一部のイスラム過激派の犯行なのに、各国で憎悪に憎
悪で向き合う群集たちもいる。それは「イスラム国」の術中にはまって、
ますます平和に背を向けるだけのように見える。

今一度、ル・ボンの群集心理は1、群衆は感染する。2、群衆は過激
に走りやすい。3、群衆は衝動的である。4、群衆は暗示に弱い。5、
群衆は時に高い徳性を示す。6、国民も群衆化する。7、群衆は反復、
断言に弱い。8、群衆は同一化する。9、群衆は服従する。というもの
だった。

「時に」高い徳性を示す、それ以外の「群集」にならないために、我々
はいったいどうすべきなのだろうか。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:30│Comments(0)
 
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