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2015年02月04日

滑落しないために

「誰がどこに登頂した」といっても大概の人にしてみれば「良かったね」で終
わってしまうもの。実は遭難からしか学べないものがある。そうならないため
に何をどうしなければいけないか。それを、リアリティを持って考えさせてくれ
るものが遭難や事故だと言っても過言ではない。

昨日はアイスクライミング中の事故について触れたが、まだ分からない部分
が多くて原因を解明中だ。また明らかになった時点で学ぶべきことがあれば
紹介したいと思うが、雪山での事故の第一は滑落。

滑落事故のほとんどは、アイゼン歩行技術の問題。へっぴり腰を克服しな
ければ、と思っていても、その克服の方法が分からぬまま放置している人が
ほとんど。これは指導者に恵まれないことも実際にあるのだろうが、克服しよ
うという主体性が弱っちいのが大きい。教えてもらわなければできない、と
いう依存体質もマイナス要因に違いないし、そんな人に限って「怖がりは克
服できない」という自己主張や言い訳を持っているもの。

スマホがこれだけ普及して、若い人はほとんどパソコンを持ち歩いている時
代。何でも手っ取り早く大事なことを吸収したいという世相が関係するのかも
しれないけれど、自分で山に行って自分で解決するという工夫や努力をしな
い人が多いように思える。もしそうだとしたら、それが命取りとなる。

与えられるのを待つ、という時代。その意味では講習会や研修会もそのひと
つなのかもしれない。そんな時代、「自分で克服してみろ」と言ったところで意
味がなく、具体的にどうするかが大きな課題となる。「へっぴり腰撲滅委員会」
委員長?を自認する僕も、長い時間その方法を煮詰めてきたし、ヒントや練
習法は洗練されてきた。しかし結局は本人次第。一朝一夕にできるものでは
なく、バカみたいに繰り返すことが最大の近道に違いない。


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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:25│Comments(0)
 
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