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2015年02月17日

母親の存在

「栄光の岩壁」の中に、主人公の岳彦がある日風邪で寝込んだ両親
を看病するという行がある。

献身的な看病に、それまでなかなか自分の「山」というものを認めてく
れなかった父親がその時初めて岳彦を認め、山へ行く金を出してくれ
る。その時岳彦は、それが実は母親の説得によるものだということを
知り、改めて母を悲しませてはならないと思うのだった。

この小説、実は母親の愛を深く感じ、感謝する部分が結構出てくる。
その前に読んだ「世界からネコが消えたなら」が実は遺書で、主人公
が何かと引き換えに一日の命を貰うという内容なのは先に書いた。

結局主人公は、自分も飼っているネコをこの世から消すかどうかを迫
られ、消すことを断念する。自分と同じ顔をした悪魔との取引で、消さ
なければ自分の寿命は消えてしまう・・・という内容だ。

何かを得るために何かを失うものがあるのではないか、というとても
大事なことを面白おかしく示唆してくれる本なのだが、その主人公の
母親もまた主人公同様、自分の死を知ったときに「死ぬまでにやりた
い10のこと」を書いていた。

それが何かというと、結局は息子(主人公)を褒める10のことであり、
主人公が嫌っていた父親と仲直りして欲しいというのが、その最後の
願いだった。そしてそれは・・・。

たまたま全然違うジャンルの本だが、主人公は命に関わる毎日を過
ごしているという点、そして母親に感謝するという共通項を持ってい
た。自分の命というものを産みだしてくれた母親の存在というものは、
やっぱり命に関わる時に想うものなのかもしれない。

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:28│Comments(0)
 
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