ラテルネ瀧根の登山塾

昨年の7/17にＳさんが北鎌尾根で行方不明になった。
それからはや一年過ぎて、
仲間の方から改めて捜索へのお礼のメールが届いた。

「４人で北鎌尾根追悼登山をしてまいりました。
私以外の3人にとっては初めての北鎌でしたが、
三日間、本当に穏やかな天気に恵まれ、快適な山行になりました。
Ｓが行こうとしていた独標の頂上には、
Ｓが好きだったユリの花と、出身地の銘酒と、
メンバーが用意したブータンのタルチョを供えて来ました。
追悼を終え、無事に穂先に到着したとき、
全員涙が止まりませんでした。

皆様のおかげで、私ども友人一同は悔いを残すこと無く、
こうして前向きに山に臨めている事に感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました！」

東京都山岳連盟に捜索依頼がされ、その救助隊との関係で
たまたま僕も捜索に加わる事になったというご縁。
残念ながらＳさんは、その後遺体で見つかった。

未組織だった彼等、「登山をするにはちゃんと学ばねば」と
改めて東京都山岳連盟に加盟し、技術の向上に努めている。
代表のＫさんとはこの春、東北のボランティアでも一緒になったっけ。


なでしこジャパンで涸れたはずの涙が、このメールで再び溢れた。
仲間を思う気持ちにありがとう。
Ｓさん、貴方を思う気持ちが命を守るエネルギーとなって
生き続けていますよ。


（独標のタルチョと槍）