ラテルネ瀧根の登山塾

靴を履く時だったか何だったか、「もっと甲斐性を出して」と
おふくろに言われて、多分幼稚園位の僕は
「甲斐性、甲斐性」と言いながら頑張ったらしい。

「甲斐性」とは物事をやり遂げる気力だとか頼りがい、とか書いてあった。
「甲斐性なし」という言葉が生活力の無さを意味したりもするから、
工夫をする、とかもっと考えるという意味にも使うのだろう。

落語にも出てきそうな「甲斐性なし」、さしずめ実利的な事には
長けていないがくだらない事に長けている熊さんといったとこか。
世渡り下手でおっちょこちょい、憎めない人という印象も持てる。

僕もある時までとてもおっちょこちょいだった。
小６の学芸会ではアドリブの演技でで「スター」にもなった。

ある時、というのは多分初恋。
何だかナイーブになって人間が変わってしまった記憶がある。

鉄棒が好きだったその頃、ちょっと考えてやってみた瞬間に
大車輪ができるようになった。

やっぱり僕もくだらない事に長けているのだろうか。
それに憧れ、弟子入りした同級生が今度校長先生で退職をする。
甲斐性あるその同級生はとうとう大車輪は出来ぬままだった。
来年1月2日の同窓会で会えるのが楽しみだ。

「爪を隠す」「縁の下の力持ち」ならぬ「隠れ酒」と「縁側で昼寝」
の方が好きな僕から、「ご隠居、お疲れ！」とでも言ってやろうかな。