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2011年12月27日

制動確保

その「制動確保」、「そんな事不可能だ」と言う人もいるが、
そんな事はなくて結果的に制動確保に「なってしまっている」事も多い。

僕はあちこちで何回もやっているが、北岳ではこんな事があった。
核心部を越えたところでピッチを切り、仲間がリードし始めた。
ほんの5mほど緩やかなルンゼ状のスラブを進んだところで
その仲間が滑り落ちてきた。

たまたまランナーを取りながら進むコンテニュアスのように
腐ったハーケンにワンピン取ったのを見ていたから、
もちろん制動確保をした。

その後でそのハーケンを触ったら簡単に抜けてしまったから、
もし衝撃荷重を小さくする事ができなかったら引きずり込まれていた。

彼が止まったそこから下は絶壁になっていたから、
アンカーを作ってなかった僕も、間違いなく死んでいただろう。
改めてアンカーと制動確保の重要性を思い知らされたのだった。

その場その場で力の向きや支点の状況を考え、形を作るだけでなく
確保に主体的に関わるのがどれだけ重要な事かわからない。
だから「今落ちたら・・・」と考えるのがとても重要な事だ。

確かにロープの性能は日進月歩。伸びが大きくなっているから
制動確保の持つ意味が減少してきているのは間違いない。
しかし不要という事は有り得ない。

登る事だけが特別視されるところだが、確保こそ最も難しい技術。
練習を繰り返す事によって、是非高めたいものだ。

それと同時に、落ちるのがスローモーションのように感じられるための
集中力。弛緩した登攀では仲間の命はおろか自分の命も守れない。

制動確保

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Posted by ラテルネ瀧根 at 07:24│Comments(0)登山
 
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