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2012年01月12日

南岳の遭難、その2

山は狭い世界。講師仲間だったM君が電話をくれて
初めてその遭難を知り、救助隊を作って出動した。
悪天が続いたら人手に頼るしかないがM君がいれば百人力だった。

結局仲間はヘリでピックアップされたが、
狭い世界で仲間の意味を知らされた出来事。

山仲間のために人智を尽くしてやれる事をやるのが
その世界に住む者の仁義。そして義理と人情に熱くなければ
そこに住む資格もなくなるヤクザな世界でもある。

山岳会レベルで見ても、先輩は後輩のためにやれる事をやり
後輩はその恩返しで、また後輩のためにやれる事をやる、
それがちゃんとした山を実現するための、人間の基本。

それができない人間は、ただ存在するだけか
あるいは存在の意味を見つけられぬまま結局山から離れて行く。
そんなふうにして、何をやるにも人間としての資質が問われる。

社会から、ある意味ガキ大将な時代が消え去ったのか、
ドライになったのか個人主義が蔓延しているのか、
山での人の繋がりも薄っぺらになってきたような気がする。

命を守り合い苦労を共にする、そんな熱い山行が無ければ尚更だろう。
その意味で、アルパインクライミングが廃れる事によって
失うものは思った以上に大きいのだと思う。

〈ラッセルを交代しながら進む〉
南岳の遭難、その2

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Posted by ラテルネ瀧根 at 08:00│Comments(0)登山
 
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