ラテルネ瀧根の登山塾

「ALWAYS」で刺激されたのか、父との事を思い出した。

父は、結構若い時から禿げていた。
そんな父親への憧れなのだろうか、僕は小さい頃「早よう禿げれ」と
自分の頭を叩いていたそうだ。

勿論今は、薄くなった頭を諦めてはいるものの、
ちょっとでも長～い友達にしたいと思っている。

その父に、僕は叱られた記憶がない。
４０歳で出来た子だから可愛くて仕方なかったのだろうか。

その父、結構酒好きで、一緒にどこか出かける汽車の
小さなテーブルには必ずウイスキーのポケット瓶と柿ピーがあった。

僕はそんな父の血を引いたのだと思っていたのだが、
兄弟会で一杯やった時意外な話を聞いた。
どうやら好きだったけど弱かったらしい。

「旨い！」と言って飲んでいた記憶があるが、
飲んだのはせいぜい１合だったとか。体が弱かったのもあったのだろう。

そんな父があぐらをかいて僕を抱っこし、
杯を舐めさせてくれるのがとても嬉しかった。
そんなのはたまの事だったが、とても幸せに思い出せる。

体を壊してからも、帰省するとビール1杯は付き合ってくれた父。
僕と「心行くまで一緒に飲みたかった」なんて思ったくれた事が
はたしてあったのだろうか。

乗り越えられないものは沢山あるが、その一人でもある。