ラテルネ瀧根の登山塾

将棋の名人がコンピューターに負けた事を少し前に書いたが、
NHKの「クローズアップ現代」がまたその対戦を取り上げていた。

５万局のデータが入力されているばかりでなく
優れた「手」の原則を覚え学習するコンピューター、
取捨選択するコンピューターに対する名人の「大局観」。
改めてすさまじい世界にため息が出た。

そのあと見た朝日新聞「オピニオン」。
“IT漬けが会社をダメに。「断食」を”という記事があった。
IT業界25年の社長が、何と自ら「IT断食」を勧めていた。

ITは便利なのに何が悪いのか、との質問に
「社員が自分の時間を失ってしまっている。そもそもITは
時間を作るためにあるはずで、会議もガチンコで議論する場であるはず。
それが皆、パソコンを持ち込んでいるのは意味がない」として
「トップレス・ミーティング」（パソコンを持ち込まないミーティング）
を実施しているんだとか。

その会社では「聞いていない」と言われないためのメールだとして
CCメールも禁止したらしい。
中間管理職がCCメールで蝕まれているのだと言う。
プレゼン資料のグラフなんかも「ソフトに使われているだけ」と
一刀両断だった。

「なる程その通りだよな」
とても手に負えないだろうな、とスマートフォンにすら手が出ない僕は
何だか生き返ったような気がしたのだった。