ラテルネ瀧根の登山塾

昨日の中日新聞「中日春秋」。
日清カップヌードルが爆発的に売れるようになったのが
７２年２月１９日の浅間山荘事件だった、とあった。

クレーンに吊るされた鉄球が建物を破壊し、
警官隊が突入する様は衝撃的だった。
テレビに釘付けになって見ていたのを覚えている。

その時、警官隊が湯気のあがるカップヌードルを食べていたのが
絶大な宣伝効果を生んだらしい。

一昨日の捜索から帰る時、丁度その事件に絡んだ笑い話があった。
飛騨から信州にトンネルを進んだ山岳会員が
警察によって浅間山荘の支援要員だと分析されたのだとか。

ご家族のいたたまれぬ気持ちを想い、下りながら
何かとそんな材料を探しては笑っていたような気もする。

今回の遭難、残念ながら身体的特徴以外の情報が少ない。
ザックの色すら分かっていないのだ。

山岳会の場合は登山計画書の提出が義務付けられていて
装備やザック・ヤッケの色まで記入する会もある。
例え家族が知らなくても、情報と仲間が多い。そこが決定的に違う。

改めて単独行者の場合、せめて現在地くらいは情報発信を。
ゴミ箱に捨ててあったメモに残された「〇〇山」だけで
発見された事例もあるのだから。

「これから下山する」それだけのメールが頭から離れない。