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2012年02月28日
昔の話 ―東京での2年―
僕は小学6年と中1の二年間を東京の姉夫婦に預けられ、
アパートの隣の部屋で義兄の弟と暮らしていた。
その人は滋という名で、姉と同い年だった。外人のような
彫りの深い顔立ちで、マスクだけではなく全てカッコ良い人だった。
バリッとしたスーツ姿でタバコをくわえて出勤するのは眩しかった。
そんな彼の靴を毎朝ストッキングでピカピカに磨きあげ、
帰宅すると履いていた靴下を必ず手洗いするのが僕の日課だった。
まさに恋女房といった感じである。
喜ぶ顔が見たくて畳や机を拭いたりもしていたから、
今どきの女性より「女」だったかもしれない。
(最もその反動なのか、今は何もやらない)
酔っ払った仲間が「もう一件繰り出そう」と騒ぎ出した時なんか
ボディに一発食らわせて、ニコニコしながら「眠らせてやったよ」
なんてハードボイルドな事もあったし、
靴にほんのちょっと傷が付いただけでゴミ箱に捨てる人だった。
もちろん反社会的・・・とかいう世界の人ではない。
そんなのは生まれて初めて見る映画のような世界で、
12、3歳の僕が憧れたのも無理はない。
そんな多感な頃、プラターズの「煙が目にしみる」とか
シルヴィ・ヴァルタンの「アイドルを探せ」なんかを聴きながら、
大人への扉の向こうにぼんやりとではあれ「カッコよさ」を求めたのは、
きっと大きな意味があったのだろう。
アパートの隣の部屋で義兄の弟と暮らしていた。
その人は滋という名で、姉と同い年だった。外人のような
彫りの深い顔立ちで、マスクだけではなく全てカッコ良い人だった。
バリッとしたスーツ姿でタバコをくわえて出勤するのは眩しかった。
そんな彼の靴を毎朝ストッキングでピカピカに磨きあげ、
帰宅すると履いていた靴下を必ず手洗いするのが僕の日課だった。
まさに恋女房といった感じである。
喜ぶ顔が見たくて畳や机を拭いたりもしていたから、
今どきの女性より「女」だったかもしれない。
(最もその反動なのか、今は何もやらない)
酔っ払った仲間が「もう一件繰り出そう」と騒ぎ出した時なんか
ボディに一発食らわせて、ニコニコしながら「眠らせてやったよ」
なんてハードボイルドな事もあったし、
靴にほんのちょっと傷が付いただけでゴミ箱に捨てる人だった。
もちろん反社会的・・・とかいう世界の人ではない。
そんなのは生まれて初めて見る映画のような世界で、
12、3歳の僕が憧れたのも無理はない。
そんな多感な頃、プラターズの「煙が目にしみる」とか
シルヴィ・ヴァルタンの「アイドルを探せ」なんかを聴きながら、
大人への扉の向こうにぼんやりとではあれ「カッコよさ」を求めたのは、
きっと大きな意味があったのだろう。
Posted by ラテルネ瀧根 at 06:56│Comments(0)
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