ラテルネ瀧根の登山塾

「カッコよくなりたい」なんて男の子は誰でも思うのだろうが、
自分にそんなものがあるかどうか、なんてことは
中学生にもなれば誰にでも分かること。

でかいヤツとケンカをしてもやられっぱなしで情けなかったし、
何をやっても裏目に出てカッコ悪いばかりだった。

学校の正面玄関の鏡を割ってしまって弁償させられたり、
2階でボールを蹴ったらグランドの教頭先生に命中したり。
傘立てで倒立したらそれが倒れてしまって、
角で目を切って失明寸前だったり。
始業ベルが聞こえず階段の最上段から飛び降りっこしていたら、
先生に捕まって角材で殴られ、ワルガキ3人の内
僕だけ頭が切れて救急車の世話になったり、なんて事もあった。
（当時、飛び降りの段数だけはNO1だった）

いつも謝る側にしてみれば、その時だけは東京都教育委員会の
幹部たちが列をなして謝りに来てたから鼻が高くもあったが、
頭に包帯巻いて走り回っていたから
後で姉にビンタを食らうというおまけがついた。

姉曰く「せっかく大事な弟を、なんて文句を言おうとしてるのに、
横で走り回られちゃ何も言えないでしょ！」

そんな訳で姉も僕を預かる自信を失ったのだろう。
結局高山へ「強制送還」される事になってしまった。

う～ん「カッコいい」って難しい。
でも東京帰りって何か「カッコいい」かも。