ラテルネ瀧根の登山塾

衆議議長による解散詔書朗読の直後、議場は万歳三唱に包まれる。
政治空白ができるのに何がバンザイなのかと思っていたところ、
昨日の中日朝刊にそれが載っていた。

何でも１８９７年１２月の解散時の議事録に
「拍手起リ万歳ト呼フ者アリ」とあるらしい。それからの慣習だという。

どんな解散だったのか調べたら、「進歩党による倒閣運動によって
内閣不信任案の可決が確実視されると、第二次松方内閣が
直ちに衆院解散、同時に辞表を提出」とあった。
解散と同時に内閣総辞職を行ったのは後にも先にもこの時だけ。

だから「万歳ト呼フ者」は進歩党によるものだったのだろうと思うが、
今は皆が「万歳」とやっている。

第二次大戦時に、日本軍による玉砕覚悟でのバンザイ突撃が
アメリカ軍に恐れられていて、
英語のbanzaiには「絶望的な試み」という意味もあるらしい。

もともと戻れるジンクス、慣習としての「ときの声」なのだろうが
そんな絶望的な「やけっぱち」の声だったりもするのだろう。

先生方はその解散をもって、戻ってくることだけが目的となる。
７年前のキーワードは「郵政民営化」、３年前は「政権交代」、
そして今回の「第３極」。
今回は、あわよくば本物の「極」になろうとする算段で、
滑稽なほど「合流」や「離党」、「合併」が続いている。

我々、美味しい蜜だけ吸おうとするチョウチョのようでは
政治は変わらず危険でさえあるのだろう。眼力を持つのは難しい。