ラテルネ瀧根の登山塾

中国、万里の長城でまた遭難事故が発生し、
二人の中国人が亡くなったらしい。

もともと郊外の、整備されていない長城（野長城と言うらしい）
を登る遊びが北京の若者たちの間で人気になっているそうだが、
毎年落雷や転落事故で死者が出ていて
管理されていない長城に登ることは禁止されているのだという。

だから日本のツアー自体が法令違反だという話もあるらしいが、
今回は立ち入り禁止を知っていて入り込んだ中国人７人が遭難し、
１８日に二人が亡くなった。

同じように立ち入り禁止を無視して雪崩に巻き込まれ、女子大生
２人が亡くなった栂池の引率講師に有罪判決が出たのを思い出した。

これは「管理区域内」の「立ち入り禁止」を無視したわけだし
指導責任もあるだろうから当然の判決なのだろうが、
似たものとしてバックカントリーの事故は批判を招きやすい。

そもそもマスコミも世間的にも、スキー場の「管理区域」「コース外」
「滑走禁止区域」だとかの区別がごっちゃになっていて、
とかく区域外の事故でも何でも同じものとして批判されがちだ。

言葉の定義があいまいなのもあるのだろうが、
人の手の入っていないところで滑走したいというその遊びの本質が
理解されにくい、あるいは管理された中での遊びでなきゃダメ、
そんな風潮が日本人には多いのだろう。

登山も同じようなフリーダムの世界。
何があっても対応できる装備と力を持って、この冬を迎えたいものだ。