ラテルネ瀧根の登山塾

昨日は年賀状をほぼ片付けて、その勢いで
山道具やら書類やらも片付けようと整理を始めたら
娘と息子の１３歳と１７歳の誕生日に宛てたメッセージが出てきた。

１５年前のその時はＫ２の登山中だったから、インマルサットという、
衛星を介してフランスから日本に送るＦＡＸ通信の原稿だった。
ＢＣマネージャーから誕生日当日に送ってもらったのだろう。

７月７日の娘宛てには
「父さんの１３歳の時は東京に住んでいておじいちゃんと
おばあちゃんは北アルプス上高地で仕事をしていた。
それでも誕生日には忘れずマーブルチョコレートを送ってくれた。
父さんは学校で一人、東京オリンピックの開会式で国旗を上げた。
どちらもいい思い出。送るチョコは無いけど、なお美のこの一年が
いい年になりますように。Ｋ２、６６００ｍより心を込めて」

７月１６日の息子には
「父さんの１７歳は薄っぺらで突っ張って真実とエセに彷徨っていた。
今回仲良くなった１７歳のポーターは、１日２５０ルピーの
重労働に就いている。彼等は我々をどう見ているのだろう。
彼はもうクビになったが、あの純真な目が忘れられない。
Ｋ２、７５００ｍよりお前に乾杯！」

こんなものが残っていたとは。
あの頃に想いを馳せ、仕事にならなかった。
ありがたいことに息子も娘も、もう立派なおとうさん、お母さんだ。
ただ、幸せに感謝！