ラテルネ瀧根の登山塾

ここのところ、高山はとても天気が安定している。
昨日は美女街道からの乗鞍に見とれ、つい写真を撮った。
夕日が、とても優しい乗鞍にしていた。

講習に続いて先日の八ヶ岳も好天続きだったが
年末始、こんな天気だったら遭難がどれだけ減っただろうか。

明神は捜索を既に打ち切っているが、剣も10日に打ち切られた。
そこにいるのが分かっていて打ち切りになるのは、本当に辛い。
でも二次遭難を防ぐためには仕方ないことだ。

その４人、悪天承知で剣に向かう猛者たちだけに
待ち受けるラッセルの苦労や、それを共有した仲間とのテント生活を
どれだけ楽しみにしていたことだろう。
生きていたら笑うこともできるのに、もうそれは叶わない。

助からなかった諸条件があって、それは決して美化できないが
彼らは一生懸命生きるためにそこへ向かった。
それだけは分かってやりたいと思う。
きっとその想い、そのエネルギーは形を変えて存続するはずだ。

水・木の八ヶ岳でも話したテーマ「考えて歩く」こと。
安全に楽に、且つ早く歩けるのは「余裕」を創る素晴らしい能力。
それは誰でも、考えて歩くトレーニングで身についていく。
安全を創ること、悪場への慣れの問題だ。

大事なのはその余裕で何を感じるか、何を想うかだと思う。
雪の状態を感じて判断に繋げるばかりでなく、山を感じ
山に想わせてもらいながら山を楽しみたい。