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2013年02月21日
スタンディングアックスビレイ④
平成10年を前後して、主に当時の文部省登山研修所(文登研)
で雪上支点の強度についての研究が進み、西山年秋氏は
土嚢袋を用いた雪上支点について登山研修VOL.13で発表している。
そして日山協においても遭対委員会がプラトーの重要性や
埋め込む支点の角度などの研究を進め、一定のデータを発表した。
それによるとプラトーの作り方によっては
1トンを越す支持力が生まれ、
崩壊する時はプラトーそのものが崩壊するとの事であった。
このプラトーの概念がSABについての核心的なものを示唆してくれた。
プラトーの上に位置すればSABの衝撃荷重そのものがプラトーを
押さえる力となる。それならば山足でスリングを踏めばいいのだ。
加えて検定基準にはセルフレスキューが加わっていた。
雪上技術にセルフレスキューの概念を加える事を考えると
SABで墜落を止めた後の仮固定、本固定が問題になってくるが、
この方式だと体の真下にディレクショナルアンカーがある事で
それがやり易い。
こうして日山協指導委員会は2009年の大山、富士山氷雪研修会から
SABの体勢について大きな変更に踏み切る事になった。
それがこれまで書いてきた山足でプラトーを押さえる方法である。
それまでのSABの持つ「不安定」の要素を
少しでも減らしたという意味では大きな進歩だと自負している。
某・有名誌に古い方法が載った直後だけに、
日山協の発信力が今こそ求められていると確信している。
で雪上支点の強度についての研究が進み、西山年秋氏は
土嚢袋を用いた雪上支点について登山研修VOL.13で発表している。
そして日山協においても遭対委員会がプラトーの重要性や
埋め込む支点の角度などの研究を進め、一定のデータを発表した。
それによるとプラトーの作り方によっては
1トンを越す支持力が生まれ、
崩壊する時はプラトーそのものが崩壊するとの事であった。
このプラトーの概念がSABについての核心的なものを示唆してくれた。
プラトーの上に位置すればSABの衝撃荷重そのものがプラトーを
押さえる力となる。それならば山足でスリングを踏めばいいのだ。
加えて検定基準にはセルフレスキューが加わっていた。
雪上技術にセルフレスキューの概念を加える事を考えると
SABで墜落を止めた後の仮固定、本固定が問題になってくるが、
この方式だと体の真下にディレクショナルアンカーがある事で
それがやり易い。
こうして日山協指導委員会は2009年の大山、富士山氷雪研修会から
SABの体勢について大きな変更に踏み切る事になった。
それがこれまで書いてきた山足でプラトーを押さえる方法である。
それまでのSABの持つ「不安定」の要素を
少しでも減らしたという意味では大きな進歩だと自負している。
某・有名誌に古い方法が載った直後だけに、
日山協の発信力が今こそ求められていると確信している。
Posted by ラテルネ瀧根 at 06:17│Comments(2)
│登山技術
この記事へのコメント
自分は実践が乏しくてほとんど耳学問のレベルなのですが、
これまでのブログでわいたイメージです。
つまり谷足で取ると、かさぶたを引っ掻くようにプラトーごと引き剥がされて持って行かれるということですよね。
岩で身体を離せずしがみついてしまうと、ホールドにかかるベクトルの向きが岩から離れる方向に働くため良くないのと同じように、SABでテンションがかかった時の瞬間的なベクトルが谷側でなく最大限山に向かうように取り、テンションがプラトーを壁に押し付けるように力が働くのが、理にかなっているということだと理解しました。
これまでのブログでわいたイメージです。
つまり谷足で取ると、かさぶたを引っ掻くようにプラトーごと引き剥がされて持って行かれるということですよね。
岩で身体を離せずしがみついてしまうと、ホールドにかかるベクトルの向きが岩から離れる方向に働くため良くないのと同じように、SABでテンションがかかった時の瞬間的なベクトルが谷側でなく最大限山に向かうように取り、テンションがプラトーを壁に押し付けるように力が働くのが、理にかなっているということだと理解しました。
Posted by やまたろう at 2013年02月22日 00:21
やまたろうさん
その通りですね。衝撃荷重が怖いがゆえ「かさぶたを引っ掻く」失敗が本当に多いです。
最近では雪庇を崩して登るときに墜落したメンバーを止めましたが、確保者の安定、プラトーの強度、そして何より制動確保が重要だと思います。
その通りですね。衝撃荷重が怖いがゆえ「かさぶたを引っ掻く」失敗が本当に多いです。
最近では雪庇を崩して登るときに墜落したメンバーを止めましたが、確保者の安定、プラトーの強度、そして何より制動確保が重要だと思います。
Posted by ラテルネ瀧根
at 2013年02月22日 06:20
