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2011年07月07日

パキスタン ブロードピーク隊

静岡市山岳連盟隊に協力を依頼されたブロードピークの捜索、
丁度BCにいた僕がチーフとなって駆けつけた。

ブロードピークBCはゴッドウインオースチン氷河上にあって
K2・BCの下流に位置しその左岸に登攀ルートがある。

僕は、当時老眼になりかけてはいたが視力は2.0。
春に骨折した足首が痛かったのもあって
双眼鏡でかすかな色を探し、捜索を指示した。

そしてうまく見つける事ができ、数時間で遺体を収容。
ヘリポートを造成して軍のヘリを要請する事になった。

雪崩で千数百メートル落ちてきた遺体は、
とても書けないほど凄惨なものだった。
死後硬直なんてものはない。全身の骨が粉々だからだ。

それから数年後、東海大学の出利葉義次さんから
K2の講演を依頼されて出向いた時、
会場に入ってきた姿勢の良いおじさん、
何か見覚えが・・・と思っている内に
僕にまっしぐらに向かってきていきなり抱きついた。

その瞬間に思い出した。当時、隊長の杉本宣明さんだった。
僕も腕に力を込めた。
おじさん2人の、それは異様な光景だったろう。
登攀隊長だった松永義夫さんもお見えになり
その晩、楽しいお酒で盛り上がったのは言うまでもない。

その次にお会いしたのは今年の1月、田辺治さんのお別れ会だった。
会が終わって電車の時間まで間があると言うので
献杯しなきゃ、とやっぱり飲みに行った。
アンナプルナが終わったら、また静岡に来てくれとの事。
飲むのを楽しみに、またのこのこ出かけるんだろうな。

出利葉さんは2006年に東海大学隊でK2に遠征し、
見事、女性初のK2サミッター(小松由佳)を生み出している。
「K2苦難の道程」著。


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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:36│Comments(0)ヒマラヤ
 
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