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2013年06月01日

アンナあとがき 人の繋がり

その千種の代表となった西村ともう一人、2011年に一緒に
アンナを目指したNは、今年残念ながら千種を去ってしまった。

人生はそれぞれの選択だから仕方ないとは思うが
山で、そしてヒマラヤで命を守りあったメンバーは一生の仲間。
だってヒマラヤでこれだけ消えていく命。
生きて還ってきたなんて、かけがえのない縁じゃないかと思う。

そうして見ると、いろんな別れを迫られるのがヒマラヤでもある。
その2011年のアンナで、まさに「別れ」を迫られたのが
ベースキャンプマネージャーNの高山病だった。

これについては2011/9/25付からのブログに載せているが
おおよそ命を守り合うほど崇高な、人間としての関係は無い。
そんなふうに登山を思えたら、仲間を大切に思う力は強くなり
山屋同士の絆はもっと深くもっと強くなるんじゃないだろうか。
そして仲間以外にもそんな目を向けられるのではないかと思う。

今、「お前の命は俺が守るぞ」なんて気持ちでロープを繋ぐ山屋は
少ないように思う。そんな防御の側面が軽んじられる傾向にあって
関係が薄っぺらいものになってはいないだろうか、と思う。

仲間を失えばこそ、仲間を大切にしたくなるものでもある。
時間が癒してくれるまで、残る記憶は喪失感を大きくする。
相手を大事に思えばこそ喪失感に打ちのめされるわけだが
それは逆に、生きていることの財産ではないか。

人を大事にできなければ山は登れない、とまで言わないが
山はそしてヒマラヤは、そんな人間を全て見ているように思える。

アンナあとがき 人の繋がり

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Posted by ラテルネ瀧根 at 05:46│Comments(0)ヒマラヤ
 
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