ラテルネ瀧根の登山塾

先月、写真家の白籏史朗さんと初めて居酒屋でご一緒した。

その時お聞きしたのだが、
バルトロ氷河のコンコルディアというところが
氷河が高くせり上がっていて、通過するのも困難らしい。

パリのコンコルディア広場にちなんで名づけられたそこは
バルトロ氷河とゴッドウインオースチン氷河が合流しているところで
その素晴らしい景観に100人中100人が感動する場所だ。

キャラバンを始めてそこで初めて見えるK2に震えるほど感動するし、
ガッシャブルム４峰に夕日が射す様には、思わず涙とよだれが出そうだ。

せり上がっているというのは
両方の氷河がえらい勢いでぶつかっているという事なのだろう。
それだけ氷河が後退しているのだろうか？と心配した。

その心配で思い出したのが、そのコンコルディアでの
「サングラス支給大作戦」

そこから先のキャラバンは雪も出てくるから、という事で
ポーターさんにサングラスを支給するのだが
殺到して、きっと奪い合いになるだろうという事で
細い通路を渡ったところを選んで一人ずつ渡す策を練った。

「頭は生きてる内に･･･」と小鼻を膨らましながらいざ配り始めたら、
後ろからも殺到してあっという間に無くなってしまった。
「敵」も然る者、我々の浅知恵だった。

貰ってない人がストライキを始めたらえらい事、と青くなっていたら
持てるものは分かち合う･･･そこはムスリムなのか
ちゃんと配ってくれたようで杞憂に終わった。

氷河の後退も杞憂に終わればいいのだが。

ちなみにサングラスはおもちゃ屋さんで売っている
10ルピーとかの代物。でも皆さん鼻が高いから
とても良く似合う。