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2011年10月10日

 遠征を終えて 人生には他のアンナプルナがある

こんなふうにして、
私自身は山にも触らせてもらえないままの登山終了となりました。
これもしかし、隊長としての私の登山であっただろうと思っています。
メンバーの命を守り、全員無事に還る事、
それが最も重要な使命だろうと思うからです。

一時は死ぬかと思ったメンバーの笑顔が復活した事、
こんなにアクシデントに喜ばせてもらった登山は
これまでありませんでした。かけがえの無い時でした。

帰国してから、多くの仲間がそんな登山を
それぞれの思いで労わってくれました。ありがとう。

「人間の生活には、他のアンナプルナがある・・・」
これは「処女峰アンナプルナ」のエピローグですが、
「アンナプルナはきっといつも何処でも次々と現れると信じます。」
そんな言葉で慰労してくれた仲間もいました。

エルツオークが「アンナプルナこそ、生涯の残りを生きる宝なのだ」
と言っているように、僕にも今回の凝縮された時が胸に刻まれています。

ひょっとしたらこの登山で、2000年の時には掴み得なかった、
エルツオークと共有できる「思い」を持てたのかもしれません。

そんなふうに思うと、
「次のアンナプルナ」を求める自分がふつふつと湧いてきて、
そしてそれに武者震いするのです。
それこそが僕を突き動かす「渇望」の源泉なのでしょう。

奇しくも今日は10月10日。2004年、アンナに眠った二人の、
そして去年北岳に眠った松宮の命日でもあります。
今のこの生に、そして「渇望」できる生に感謝します。
 ―合掌―

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Posted by ラテルネ瀧根 at 06:33│Comments(0)ヒマラヤ
 
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