ラテルネ瀧根の登山塾

昨日、竹内洋岳（ひろたか）さんがダウラギリ（８１６７ｍ）に成功し、
日本人初の８０００ｍ峰全座の完登に成功した。

去年9月３０日にはチョー・オユー（８２０１ｍ）に成功し、
ダウラギリを残すだけとなっていた。

僕の行かなかった２００４年秋のアンナプルナⅠ峰（８０９１ｍ）では
２人の仲間が亡くなったが、その春、彼は同じルートで成功している。

新宿で彼からもらったアンナプルナからの下山中の写真は、
いかにも春らしく、セラックの崩壊がすさまじい様子だった。

彼も後ろを振り返るのが恐ろしく、
走るようにカメラを後ろに向けて撮った写真だと言っていた。

縁があって去年もカトマンドゥで再会。
何回か食事したがご馳走になってばかりだった。
日本料理店でご馳走する約束をしていたのだが、
我々はアンナプルナを断念して、先に帰国してしまった。

チョー・オユーとダウラを残すのみとなった時
まず１４座完登は間違いないと確信していたが、
そこはヒマラヤ、何があるか分からない。
気を引き締めて臨んで欲しいと願っていたが、とうとう実現した。

死と隣り合わせの地帯でこれまでの日本人の記録は９座。
田辺治、名塚秀二、そして山田昇がそこで亡くなっている。

彼のこの記録は世界で２９人目だが、本当に尊い記録だ。
明るく柔軟な彼の不屈の精神力、類い稀なる体力、運の成果。

１７年掛けての快挙、心より誇らしい。お疲れさまでした。