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2013年05月23日

アンナプルナ またスタートできる

岳連ニュース(2000年新年号)に「彼我の力関係を見れば、
成功率は極めて低いと言わざるを得ない。しかし、だからと言って
諦めたりはしない。困難であればあるほどその困難に立ち向かえる
自分たちを創っていく、それが最も重要なこと(後略)」と書いた。

そしてそれに向かって、皆で精一杯やってきたつもりである。
しかし高所の経験者が2人、それ以外は未経験者という隊では
残念ながらシェルパに依存せざるを得ず、そんな隊がシェルパに
ソッポをむかれた、というのが我々の第一の敗因だったと思う。

そして二つ目に、登山期間が短くなった事が上げられる。
もともと10月15日に登山終了という計画だったが、遅くとも8日頃には
ヘリを要請する必要があった。それに電話連絡ができるところまで
最低2日はかかり、それを見越してメールランナーを走らせなければ
ならなかったから、登山活動が10日ほど短くなったわけである。

そして第三に、午後になると毎日のように降った雪。
アンナプルナ山群がヒマラヤのどこより雪が多い、とは聞いていたものの、
モンスーンが明けても降る雪に当然雪崩対策のレストも多くなった。

アンナプルナⅠ峰北面に安全なところは全く無いと言っても過言ではない。
エベレストに何回も登ったシェルパが尻込みするこの山から帰って、
僕は心から全員の無事を喜んでいる。

例えチームワークが壊れようが喧嘩しようが
夫々が、またスタートを切る事ができるという意味の重さは果てしない。

そしてそんなアンナプルナに、先人達の偉大な足跡をたどって
登頂を目指した光栄とさまざまな感動が、一人ひとりの心の中にあるはずだ。

〈ヒマラヤには可憐な花がよく似合う〉
アンナプルナ またスタートできる

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Posted by ラテルネ瀧根 at 05:39│Comments(0)ヒマラヤ
 
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